次にフライパンにごま油を引き、豚肉を炒めるという手順になります。

 

今回の材料のなかでいちばん香りの強い食材であるごま油ですが、香りという観点でみるとごま油は2つの役割を持っています。

一つ目は豚肉の臭いを抑えること。

 

肉の焼ける香りは非常に食欲をそそります。

しかし実はこれは本来の肉が持つ香りというわけではなく、多くは肉が焼けることによって出る肉汁の香りなのです。

肉を主体としたお料理、ステーキやハンバーグ、ローストなどのお料理で香草やスパイスが多量に使われることでもお分かりになるかと思うのですが、肉本来のもつ香りはいい香りだけではありません。

 

そこで香りの強いごま油をつかい、まずは豚肉の香りを抑えるのです。

 

そしてもう一つは香りの少ないもうひとつの主役「茄子」の香りを補完することです。

 

茄子はそもそも油との親和性が非常に高い食材でもあり、油に香りがある場合、油の香りに大きく左右される食材でもあります。

 

香りという観点でこのレシピを読んでみると、手順3においてごま油で豚肉と茄子を炒めることで香りの下地を作りあげ、4であわせた味噌を入れることで、香りの全体像を作り、最後にすりゴマを加えることで調整をするという流れがご理解いただけると思います。

 

上記を踏まえてもう一度調理工程を振り返ってみると、ごま油の量と熱し方、豚肉と茄子の火の通し方、味噌とみりんのバランス、最後に加えるすりゴマの量などがはっきりイメージできることと思います。

 

日ごろレシピを読む上で蔑ろにされがちな「香り」という観点から、レシピを読み直してみるだけでもこれだけのことを読むことができるのです。

 

 

<次回に続く>   
    
「レシピの読み方」は毎週木曜日更新予定です。次回更新は2月8日の予定です   
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