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以前自分が所属している料理人の会のお手伝いで、フレンチのシェフの料理講習会の助手をしたことがあります。

その時にお料理には「足す料理」と「引く料理」があるといことを実感しました。

 

その時の料理で特に印象的だったのはいろいろなソースでした。

フレンチにとってソースは命です。

 

その命の作り方ことまさに「足す料理」でした。

 

日本料理の基本は素材をいかに引き出すかにかかっています。

その素材の良いところと悪いところを考えながら、その素材の持ち味を引き出していく考えかたです。

 

フレンチはその素材の長所を引き出し、長所同士を掛け合わせてお料理を作っていきます。

 

例えば鴨料理でよく使う「オレンジソース」


加熱したバターにグラニュー糖を入れ溶かし、カラメル状にする。

絞ったオレンジ果汁とレモン汁を加え、焦がさないよう煮詰めブランデーを加えてます。

 

つまりコクはバター、甘みをグラニュー糖、香りをオレンジ、酸味をレモン、香りと旨味の補助としてブランデーといったように、それぞれの素材の特徴を組み合わせて作りあげています。

 

逆に日本料理であれば、例えば「柿の白和え」を作るのであれば

水をよく切った豆腐を軽く茹でて水を切り、味噌、醤油、砂糖を加えて作った白和えに賽の目に切った柿を加えます。

 

これも一見、フレンチと同じ「足す料理」に感じるかもしれませんが、考え方としては白和えのベースとなる豆腐と和える柿の良さを引き出すために味噌、醤油、砂糖を加えており、フレンチのソースのようにそれぞれの素材や調味料が対等に主張をしていません。

 

むしろ白和えのベースが豆腐であることがわかっても、その中に何が加えられているのかが分からないようにひっそりと加えられています。

 

この素材や調味料の立ち位置の違いこそが、料理の妙の部分であるような気がします。

 

レシピを読むときも、作り方の工程で素材や調味料の使い方の部分から作者の方のバックボーンがどこにあるのかを想像しながら作ってみるのもまた面白いかもしれませんね。

 

<次回に続く> 
  
「レシピの読み方」は毎週木曜日更新予定です。次回更新は9月28日です 
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